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前立腺肥大症に対する日帰り低侵襲手術

Rezumシステムを用いた経尿道的水蒸気治療(WAVE治療)

前立腺肥大症とは

前立腺肥大症は加齢とともに増加し、80歳以上では80%を超えると言われています。

肥大した前立腺が尿道を圧迫すると、尿の出が悪くなったり、日中や夜間の排尿回数が増えるなどの症状が出現し、重度の前立腺肥大症では、自力で排尿がまったくできなくなってしまう尿閉と呼ばれる状態になることもあります。

そのため、日常生活に大きな影響を及ぼし、生活の質を低下させます。

RezumシステムによるWAVE治療は、水蒸気を用いた前立腺肥大症に対する治療で低侵襲かつ異物を体内に残さずに治療することが可能になります。

どのような手術なのか

Rezumシステムは、内視鏡を用いて尿道から入り、水蒸気を利用して前立腺肥大症を治療する医療機器です。

肥大した前立腺組織内に103℃の水蒸気を9秒間噴霧し、組織を約70℃まで上昇させることで組織を壊死させます。

従来の前立腺肥大症に対する温熱療法と比べて、水蒸気を利用しているため対流によってムラのない治療効果が発揮され、尿道粘膜や性機能温存が可能です。

治療・手術時間は5〜15分程度で、治療効果は約2週間後から徐々に認められ、長くても約3カ月後には排尿状態の改善が期待できます。

術前の様子です。

尿道からデリバリーデバイスを挿入

肥大組織に水蒸気を噴霧

水蒸気の対流によってムラなく治療効果を発揮

肥大組織を壊死させます

約3か月後、自然吸収による組織除去

手術適応患者

前立腺肥大症による排尿症状があり、薬物療法で充分な効果が得られない場合、または尿閉や尿路感染などの合併症がある場合に手術療法の適用が考慮されます。

複数ある手術法の中で、Rezumは体への侵襲が低いため、従来の手術療法(TUR-P、HoLEP、PVPなど)が全身状態から手術侵襲を考慮すると困難な方に適用されます(日本泌尿器科学会:経尿道的水蒸気治療に関する適正使用指針)。

治療する前立腺のサイズは30〜80mLの大きさが適当とされています。

抗血栓薬、抗血小板薬の中止は必須ではありませんが、休薬しないで手術を行う場合は出血に注意する必要があります。

手術治療成績

WAVE治療は、前立腺肥大症の状況を判断するIPSS(国際前立腺症状スコア:自覚症状の問診)やQmax(尿の勢いを測定した数値)の臨床結果で5年間の有効性が報告されています。

また、5年間での再手術率は4.4%であり、3年目以降は新たに手術が必要になった患者さんはいないとされています。

非常に低侵襲な手術方法ですので、前立腺肥大症に伴う症状を有する方で、全身状態が不良で合併症の危険性が高い方、高齢もしくは認知機能障害のため術後せん妄や身体機能低下のリスクが高い方にメリットがあります。

また、脳梗塞や心筋梗塞後の再発予防などで抗血栓薬(血液をさらさらにする薬)を内服していても手術が可能です。

ただし、現時点で本治療は全ての前立腺肥大症には適応されませんので、治療適応については主治医と相談が必要となります。

当院における治療の流れ

①手術前(手術別日)に尿道膀胱鏡検査を行い前立腺の状況を確認します。

  • 前立腺肥大症の程度を確認することはもちろんですが、排尿障害の原因として、前立腺肥大症とは別の疾患の有無(尿道狭窄症や、尿路結石症などのの有無)が無いかを確認するためです。

②手術日を決定します。

  • 術前採血(感染症のチェック)および手術3日前からの抗生剤内服処方を行います。
  • 抗血小板薬・抗凝固薬の休薬の指示を行います(当院では休薬が可能な状況であれば休薬していただきます)。
  • 休薬が困難な場合は休薬なしで行う場合もあります。

③手術当日

  • 仙骨硬膜外麻酔+尿道粘膜麻酔(場合によっては静脈麻酔)を行います。
  • 麻酔施行15分後より砕石位(お産の体位)にて手術を行います。
  • 約10〜20分で手術は終了します。
  • 手術後は尿道カテーテルを留置します。(留置期間は1週間、尿閉患者は1か月。手術後の血尿の状況により延長することがあります。抜去後の排尿状態によっては再留置することがあります。)
  • 感染症予防および術後血尿にたいして抗生剤および止血剤を処方いたします。
  • 麻酔の効果がなくなったことを確認(下肢のしびれや動きが回復)し、帰宅を許可いたします。
  • 手術後の血尿はしばらく継続しますが、血尿がひどい場合やそれによりカテーテル閉塞をきたした場合は緊急で対応させていただきます。当院休診日や夜間の場合は当院での対応ができないことも想定されますので、事前に基幹病院への紹介状を作成し、お渡ししておきます(無料)。

合併症

①血尿

  • 手術後は血尿となります。
  • 止血剤処方で鎮静化に努めますが、血尿が強い場合はカテーテル閉塞をきたし、緊急で対応する必要が生じることがあります。

②尿路感染症

  • 術前3日前より抗生剤内服を開始し、術後も抗生剤内服を行います。
  • まれに急性細菌性前立腺炎にて集約的治療(入院治療)を要する場合があります。

手術費用

手術代のみで、約50万円です。3割負担ですと約16万円の自己負担額となります。

したがって事前に高額医療申請を行っていただくことをお勧めいたします(収入により控除額が異なります)。

手術日

月・水・金14:00〜
10:00〜
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