Qスイッチルビーフラクショナル
ルビーフラクショナルは、シミやアザ、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)など、光治療では改善が難しかった色素性皮膚疾患に対するレーザー治療法です。
ルビーレーザー(波長694nm)はメラニン吸収が高く、他の組織に吸収されにくい波長です。
従来のQスイッチルビーレーザーのスポット照射では、1回で強い効果が期待できる反面、発生する熱による炎症後色素沈着が問題となります。また照射後のダウンタイムやテープ保護が必要です。
一方ルビーフラクショナルは、ドット状の細かい点の集合体で照射することにより、熱の発生を大幅に抑え、照射後の炎症後色素沈着をかなり抑えることが期待できます。またスポット照射と違い、ダウンタイムの大幅な短縮およびテープ保護の省略が可能となりました。ただし、スポット照射と比較して1回で得られる効果は弱くなるため、病変の残存が生じる可能性、つまりは複数回の照射の必要となることがあります。
ルビーフラクショナルとは
- メリット
- 一度の治療で取れる可能性がたかい
- デメリット
- 治療後テープを貼る
- 炎症後色素沈着の可能性
- 薄いシミには不向き
- 広範囲の治療には不向き
- メリット
- 保護テープが不要
- ダウンタイムが少ない
- 広範囲に照射できる
- ハリ感が出る
- お肌の引き締め効果がある
- デメリット
- 回数が必要
ルビーフラクショナルはこのような方にお勧めです
- ①
-
老人性色素斑などの表在性色素斑において、レーザー照射後の炎症後色素沈着を減らすために、ピコレーザーのスポット照射を行って治療します。
しかし濃いしみですと、ピコレーザーではシミの顆粒を細かく壊しきれないので、ピコレーザー前の準備照射としてある程度シミを細かく壊す目的でルビーフラクショナルを行います。
- ②
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ダウンタイムや炎症後色素沈着を極力減らしたい顔全体のシミ・くすみ・リジュビネーション治療をご希望の方
- ③
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ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
従来のルビースポット照射だとダウンタイムや炎症後色素沈着が起こる可能性がありますので、それらを極力抑えたい方(スポット照射と比較して効果はマイルドです)
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは・・
ADMは、後天性真皮メラノサイトーシス(Acquired Dermal Melanocytosis)の略です。名前がとても長く分かりにくいので略してADM(エーディーエム)と呼ばれています。
太田母斑に似ていたことから遅発性太田母斑様色素斑と呼ばれることもあります。
明らかな原因は不明ですが、通常はしみが存在しない皮膚の深い部分(真皮)に色素沈着と色素細胞が見られるため、「アザ」と呼ばれることもあります。
頬上部に左右対称に出現することにより、好発部位が似ている肝斑やそばかすと間違われているケースをよく見ます。
肝斑やそばかすとの違いは、出現年齢、色調、形、分布などで、典型的なADMだと見分けは容易ですが、ときにそばかすや肝斑と混在していることもあります。
出現年齢
- ADMの多くは20歳前後から出現します。
- そばかすは幼少期から、老人性しみや肝斑は20代後半から、太田母斑は遅くても思春期までには出現しますので、他のしみやアザと発生時期が異なります。
色調について
- しみやそばかす、肝斑は茶褐色(明るい茶色)に見えます。これに対して、ADMはくすんだ(彩度の低い)色調の場合が多いです。
- 明るい茶色ではなく、グレー~若干青みを帯びた独特の褐色をしていることがほとんどです。これはメラニン色素の存在する層が深いことを表しています。
- この特徴はファンデーションを塗ったときに特に強調されるように思います。「素肌だと褐色のしみに見えるが、お化粧するとグレー~紫っぽく見える」このような場合、ADMの可能性が高いと言えます。
形・分布について
- ADMは頬上部外側や小鼻では斑状、目の下では帯状のことが多いです。
- 肝斑は帯状や地図状であり、斑状になることは少ないです。
- そばかすは、小さな斑状であり、頬上部~鼻にかけて拡がった分布です。
ルビーフラクショナル施術のながれ
事前の麻酔塗布でのご来院が難しい状況であれば、来院されてから塗布します(別料金)
ルビーフラクショナル経過について
①痛み
- 麻酔により随分痛みなく受けていただけると思いますが、部位によって、もしくは麻酔の効果には個人差があり、軽度の痛みを感じることがあります。
②ダウンタイム
- 照射部位に発赤が出ます。3〜4日継続することがあります。
- 炎症後色素沈着を起こすことがあります。
- まれに色素脱失(医原性白斑)や潜在性肝斑の増悪、水疱形成、ニキビの出現が起こることがあります。
③メイク
- 直後から可能です。
- 当院では翌日からのメイクを推奨しております。
⑤洗顔・入浴
- 直後から可能です。
- 当院では当日はシャワー、翌日から入浴を推奨しております。
- スクラブ洗顔などの刺激のあるものはお控えください。
⑥治療間隔
- 1か月は開けていただきます。
- 1か月後の効果判定(肌診断機VISIAによる)により、以降の施術の内容を考慮します。
ルビーフラクショナル施術料金(麻酔代別・税込み)
①スポット照射
1cm未満のしみ | 1個につき 1回 5,000円 |
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1cm以上のしみ | 1個につき 1回 8,000円 |
②両頬~鼻にかけた全顔(フラクショナル)
全顔 | 1回 12,000円 |
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目の外側より耳側にかけた頬エリアやおでこにルビーフラクショナルを当てると、高確率で色素沈着が起こることが多くの報告で分かっておりますので、当院ではそれらの部位へのルビーフラクショナルレーザー照射は原則行いません。
事前に施術30分前に麻酔クリームを塗布してご来院ください。麻酔クリームは別料金となります。
麻酔クリーム | 1本 1,620円 |
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